私が、風水に興味を抱くようになったのは、
野村萬斎主演の映画、「陰陽師」を観た事がきっかけです。
その時期は、テレビや書籍でも、陰陽師について取り上げられたものが多く、
毎日とは言いませんが、それでも一週間には必ず目にしていました。
物語として、陰陽師の活躍を描かれる一方、陰陽道とは何かと、取り上げるメディアもあり、
一部として、風水が注目されていました。
しばらくは、陰陽道が持ちはやされていましたが、徐々に見る影を失ってゆきます。
そして、部屋の模様替えなど、手軽に活用できる風水が、目立つようになってゆきます。
私も、メディアを通して、また、購入した書籍をもとに、部屋の模様替えをすることがありました。
今の部屋も、風水をもとにレイアウトを決めました。
私の親もまた、同時期に、恐らくはきっかけも同じだと思います。
風水の書籍を購入しては、模様替えをしていました。
風水は、流派がありますが、基本的な概念は、どの流派も同じです。
しかし、細かく見てゆくと、それぞれの流派ごとに異なっています。
本を読んで、知識として収める分には、問題はありません。
ただ、実践をするとなれば、流派の違いによる問題が出てきます。
奇しくも、私と親では、取り入れた流派が異なっていましたが、
個々の部屋の模様替えに関しては、文句を言われることはありませんでした。
私自身、本を読んでいる時は、流派がある事に気づくことはありませんでした。
部屋の模様替えをしている時もです。
その為、流派によって結果が異なる事も、気づくことはありませんでした。
この流派の違いを感じたのは、新しく部屋を探す時でした。
その当時、住んでいた家が、色々と不便になり、新しく部屋を探すことになりました。
私と両親が、内覧の為に訪れた時の事です。
部屋の間取りを観つつ、父親がコンパスを取り出し、方角を気にしていました。
風水を考えているならば、至って普通のことです。
父親は、不動産屋と方角について話をしていました。
そこに私が加わり、誰がどの部屋を使うのかで、問題が出てきました。
部屋の使用者を誰にするかについて、意見が分かれるのはよくある事だと思います。
それは、風水に関係なくです。
しかし今回は、風水において、それも流派の違いによって、意見が分かれました。
浸透した今とはいえ、流派の違いによって、意見が分かれるのは稀有な方だと思います。
不動産屋がいる中、私と父親とで意見がぶつかりました。
私は、人前で争うことを避けたかった事と、親としての立場を尊重して、折れました。
この時、流派によって、結果が変わってしまうものなのだと、実感しました。
尚、チラッと不動産屋の方を見ると、苦笑していました。
そして、母も呆れていたのを覚えています。