独身時代の住居の立地は、
犯罪発生率の低い所、
交通の便のいい所、
文化施設に近い所、
などの要件を満たした上で、
日当たりや風通しがよく、縁の多い場所がいいでしょう。
子育て時代には、
医療施設、教育施設、
買い物の利便性、
地域の人々とのコミュニケーションの取り易さ、
市区町村サービスの体制
などが必要となり、建物や敷地などの広さもある程度必要になるでしょう。
老後の住居の立地には、
バリアフリー構造や宅配体制などの充実が不可欠となります。
また、老後の住まいにはそれほど広さは必要なくなるでしょう。
むしろ、老後の住まいが広すぎると、
「家の中が寂しく感じられる」という人も少なくありません。
これは子供時代に住んでいた家に成人してから行くと、
「あれ?この家こんなに狭かったっけ?」と感じるのと同じことなのです。
子供は広い家であれば、全力で動き回れるので快適ですが、
老人になれば、それほど家の中で動く機会も無くなってきますので、
無駄に広い家に一人でいあると寂しいと感じるようになるのです。
都会生活者が、老後に自然の中でのんびりしようと、
土地の広い田舎に引っ越すケースも少なくありません。
体力が十分にあり、車の運転もできる時期にはいいでしょうが、
田舎は買い物や病院、交通などの生活インフラが不便で、
結局、都会に舞い戻ってくる人もいます。
自分が元気な時期に、
老年期の体力を予測することは難しいことですし、
それ以上に、遠い未来の不便よりも、現在の満足度を優先したくなるのが人情というもの。
土地選びで注意すべきことは、
住居のように生活の基盤となり、比較的長い期間にわたって利用するものの場合は、
その選択や設計を、客観的な視点で行なうことです。